私たちの思い

1.「日本のこころ」は世界のつながり

日本が長い歴史の中で培ってきた「こころの文化」には、「つながり」「自然との共生」「個と全体の調和」「おかげさまのこころ」といった、これからの社会や世界を構築していく希望のビジョンにつながるものが、必ずやあるのではないかと感じます。世界では、とくに最近分断と対立がすすみ、人々のこころには不安が増しています。

 

北朝鮮問題、中東における紛争の拡大、ヨーロッパでの民族対立の拡大、アメリカでの社会や政治の分断、世界中(日本を含む)での格差の拡大がそれです。これからの人類社会には、このような不安を乗り越える希望のビジョンが必要ですが、世界を見わたしてみるとき、そのヒントは日本のこころの中にあるのではないでしょうか。

 

2.「日本のこころ」について考えてみよう

日本のこころの文化とは何かを、いま改めて、みんなで考え、世代を超えて学び、次世代へ継承するとともに、海外の人びととも交流しながら、世界に発信していける場があるとよいのではと考えました。

 

3.海外の人も大きな関心

海外からの訪問者も急増しており、訪日外国人の日本文化への関心は高まっています。それに伴い日本文化の根源に触れる機会を文化財の見学に求めるだけでなく、現代日本人の生活文化の中に浸透しているような、いわゆるクールジャパンのこころの文化を探索される人々が増えています。

 

例えば、四季折々の感受性の発露は何か、武士道やZenの根源は何か、おもてなしや助け合いのこころの淵源は何かなどを、外国人自らが体験できるような場がさらに求められています。

 

4.子供や若者も学び体験できる場を

一方、日本の子供や若者も、長い歴史を経て培われてきたこころの文化に触れる機会が少なくなっています。京都や奈良、鎌倉や金沢といった古都を訪問するだけでなく、東京にも修学旅行などの機会に、伝統文化を身を以て体験したり、その一端に触れることは、先人たちが築いてきたこころの文化を再発見する良い機会になります。

 

東京オリンピック・パラリンピックを契機に、若者を含めた日本人が未来に向けて日本のこころの文化を学び、また海外の観光客や在日外国人が、日本文化のこころの一端に触れることができる情報交換や体験の機会となる場をつくれないか、と考えました。

 

5.若い世代がアイデンティティと自信をもち、世界の先頭に立ってもらいたい

日本のこころの文化を通して、世界の危機を乗り越えよう。

 

世界中の多くの人々は、世界的な規模で貧富や身分の格差と社会の分断が急速に拡がり、人々の対立が深刻化していると感じ始めています。世界中の至るところで暴力と対立感情が高まる中で、人々のこころの中に不安の影が増しているように思われます。

 

これからの人類社会には、このような不安を乗り越える希望のビジョンが必要ですが、世界を見わたして、そのヒントは日本のこころの中にあるのではないかと考えます。もちろん具体的な政策や制度の問題がありますが、大事なのはその前提となるビジョンであり、世界観です。

 

私たちは、世界の宗教対立、軍事対立、経済対立を解決し、平和な世界を構築することを望んでいます。青年協力隊は世界の貧困問題に取り組んでいます。私たちはひとりひとり自分の出来る範囲で自信をもって、世界の危機の解決に取り組むことが必要です。すべての人がこのような考えを共有しているわけではありませんが、日本のこころを学べばそのような確信にたどり着くと期待しています

 

希望を見出していくビジョンには、旧来のイデオロギーや政策と言われるものとは異なった発想(戦略や政策の前提となる基本理念・世界観)が必要です。そしてそれを創るのは、未来を背負う若い世代を含めた人間一人ひとりであり、私たち自身の問題ではないかと思います。

 

世界のための日本のこころセンター 

共同代表  井上淳也 土居征夫 根本英明